まいたびレポート
2019年3月5日~2019年3月12日
「冬の神秘の酔いしれるアイスランド~氷の洞窟(スーパーブルー)とオーロラ 8日間」
アイスランドは日本から約8,600km、北緯約63度から66度と日本よりもはるかに北に位置しています。面積は北海道を少し大きくしたくらいですが、人口は約34万人弱と私が住む越谷市とほぼ同じです。「とにかく寒い!」というイメージをお持ちの方が多いのはないかと思いますが、実は緯度の割にはそれほどの寒さではありません。これはメキシコ暖流のおかげなんです。
アイスランドを一言でいうと、とにかく自然がダイナミック。それにつきるのではないかと思います。
アイスランドを一言でいうと、とにかく自然がダイナミック。それにつきるのではないかと思います。
さて、ツアーのほうですが、ケフラビーク空港に到着すると時刻はもう深夜。レイキャビック市内でもオーロラが見られるアイスランドで図々しくも初日のオーロラを期待!しましたが、残念ながらそんなにうまくはいきませんでした。。。
もしかしたら、もしかしたらとあきらめ悪く、心のどこかでオーロラの出現を期待しましたが、長距離フライトの疲れもありほどほどに粘って結局は寝ることにしました。
巨大な裂け目「ギャウ」
2日目はゴールデンサークルと呼ばれるアイスランドでは、必ずと言っていいほど訪れるエリアの観光です。まずは、巨大な大地の裂け目“ギャウ”。なんともイメージしにくいかと思いますが、これは通常であれば海の中にある海嶺が地上に出現しているという、実は非常に珍しいものなのです。ユーラシアプレートと北米プレートがそれぞれ東と西にアイスランドを押し広げている場所、それがギャウです。そのためわずかながらもアイスランドは今でも少しずつ東西に広がっています。そんな“生きた裂け目”を歩きました。生き物のように噴き上がる瞬間!ゲイシール間欠泉
次はゲイシール間欠泉です。アイスランドを取り上げる映像でこちらもよく紹介されます。数分間隔で噴き上げる間欠泉を見ようと多くの人が待ち構えています。吹き出す水面を見ていると、助走をつけるように水位が一瞬下がり、その後水面が球形に盛り上がったかと思うとエネルギーを爆発させて勢いよく一気に噴き上がります。高い時には30m近くも吹き上がり、まさに生き物であるかのような地球の鼓動とパワーを感じます。個人的には吹き出した後の湯気の柱よりも、吹き出す瞬間の不思議な球形の水面に神秘を感じました。球形の水が青く見えるんです。しかしながら、この写真を撮るのが結構難しく、うまく撮ることができませんでした。
遮るもののない絶景!黄金の滝「グトルフォス滝」
この日最後の見学は、「黄金の滝」と呼ばれるグトルフォス滝です。日本で滝と言えば見上げるような、あるいは下ろすような上下の形が普通ですが、このグトルフォス滝はそんな一般的なイメージの滝を横にしたような滝です。冬の寒さで凍てついた滝は、ギャウを想起させる大地の裂け目の中を、しぶきをあげながら瀑布と化してすべてを飲み込むかのように流れていきます。
滝自体もかなりの迫力ですが、周囲を見渡すと、遮るもののない地平線から雪に覆われた小山がせりあがって点在している景色がなんともダイナミックで美しいのです。樹木があまりないのでその分山の存在が強烈になるような気がします。これがまさにアイスランドの大自然。
自然現象オーロラとの出会い
その後、ホテルに戻りこの日の夜はオーロラウォッチングに出かけました。最初にも書きましたが、オーロラが出ていればホテルの外でも見ることはできますが、明かりが少しでもないほうが当然見やすいので、混載のツアーでは郊外の明かりが少ない場所に出かけて行きます。
車に揺られて約1時間。周囲に明かりがない場所でバスは止まり、観光客はバスから降りてオーロラを待ちます。私も三脚を立てて寒さとも闘いながらなんとか写真におさめました。白い筋のようなものから徐々に色が濃くなっていくのを期待して待っているのは本当にどきどきします。以前、アラスカで運よく見ることができた活発な赤いオーロラのようになってくれないかと期待を膨らませていましたが、残念ながらなんとなくオーロラだなという程度で、この日の夜はそれ以上色が濃くなることはありませんでした。
カメラにも収めましたが、オーロラは肉眼よりもカメラのほうが色は濃く映ります。人間の思うようにならないからこそこういう自然現象に魅了されるのだと感じます。
氷河のある東部へ!むき出しの大地が芸術的
3日目レイキャビックに2泊して、いよいよアイスランド最大の氷河のある東部へ。
途中にある観光スポットに立ち寄りながら移動です。とにかく自然がアイスランドにとっては何よりも重要な観光資源。滝もさまざま、この日もまずは落差40mのセリャラントスフォス滝です。こちらは日本の滝に近い形ですが、やはりアイスランドと日本では違います。それは、高い樹木がないことです。いわば大地がむき出しになっているために、滝そのものをはっきり見ることができます。
途中にある観光スポットに立ち寄りながら移動です。とにかく自然がアイスランドにとっては何よりも重要な観光資源。滝もさまざま、この日もまずは落差40mのセリャラントスフォス滝です。こちらは日本の滝に近い形ですが、やはりアイスランドと日本では違います。それは、高い樹木がないことです。いわば大地がむき出しになっているために、滝そのものをはっきり見ることができます。
さらに落差が60mのスコゥガフォス滝。やはりこちらも樹木がないために滝を目の前でしっかりと見ることができます。もうひとつ日本との違いは、日本では滝はだいたい山奥にあることが多いですが、ここアイスランドでは道路から簡単にアクセスできてしまうことです。むき出しの大地の高低差を忠実にたどってただひたすらに水が流れていきます。
ホテルへ到着前のこの日最後のスポットは、レイニスフィヤトル。アイスランド語の発音はとても難しいです。カタカナで表記してもなかなか読みにくいものです。
そんなレイニスフィヤトルは、海岸にある巨大な柱状節理の名所です。崖そのものが数百メートルにわたって柱状節理となっています。断面が六角柱の岩が見事に重なりあって、まるで人の手で作られたような美しい自然の芸術です。
アイスランド最高峰クバンナダルスフヌークル
ホテルへの途中、次から次へと現れる見事な美しい山々に目を奪われていると、それまで雲がかかって見えなかった山の景色が目の前に現れました。それはなんと偶然にもアイスランド最高峰のクバンナダルスフヌークル(2119m)だったのです。標高2000mの山とは思えないほど、真っ白な雪と氷に覆われたその姿は、ヒマラヤの山にも劣らないほど太陽の光を浴びて神々しく輝いていました。技術的には難しい山ではなく、とにかく体力が要求される山だと聞いたので、目の前にすると「いつか登ってみたい」、そう思ってしまったのは私だけだったかともしれません。アイスランド東部で連泊したホテルは、広大な雪原のような場所にポツンと建つ一軒宿。
これもアイスランドらしいといいますか、日本の秘湯の一軒宿とは別の意味での“一軒宿”です。どうしてこんな場所を選んで建てられたのかとても気になります。屋外の環境は過酷ですが、ホテルの中は部屋も広々としてとても快適です。部屋を増築してはいましたが、むやみにホテルを建設しないのが観光先進国らしいと感じます。
これもアイスランドらしいといいますか、日本の秘湯の一軒宿とは別の意味での“一軒宿”です。どうしてこんな場所を選んで建てられたのかとても気になります。屋外の環境は過酷ですが、ホテルの中は部屋も広々としてとても快適です。部屋を増築してはいましたが、むやみにホテルを建設しないのが観光先進国らしいと感じます。
自ら発光するかのような氷河湖
4日目はいよいよ今回のメインのひとつ氷の洞窟ですが、その前に氷河湖へ。黒い火山灰由来の砂利が堆積した岸辺には無数の氷が風によって打ち上げられており、曇り空の下でも氷は青く自発光しているようでした。これこそまさに冬ならでは神秘!いくつも、いくつも、また湖の中にも浮かぶ氷の塊は自ら発光しているかのように見えます。
ヨーロッパ最大とも言われるヴァトナヨークトル氷河の末端を見ることができる展望ポイントでは、冬の大地でたくましく生きるアザラシとトナカイの小さな群れに出会うことができました。氷水の中でも気持ちよさそうに、少なくとも私にはそう見えるのですが、潜ったり顔を出したりとアザラシは愛くるしい仕草で私たち人間のほうを見ていました。
また、遠くの氷の上には寝転って気持ちよさそうに昼寝をしているアザラシの群れがいましたが、いったいどれだけの脂肪があればこの水の中でも浸かっていられるのか。なんともたくましい生き物です。一方、トナカイは雪原からわずかに顔を出している草をなんとか食べていました。冬は彼らにとっても厳しい季節です。春が来て、夏を迎えるとアイスランドの大地は一気にグリーン一色に変わります。
いったんホテルへ戻って昼食を食べた後、「スーパーブルー」と呼ばれる氷の洞窟へ。巨大な4輪駆動車に分乗して氷河の末端まで。さらに氷河上を登るための車両に乗り換えて、洞窟のあるポイントへと移動します。自然がダイナミックだとやることもダイナミックですね。こういうことを体験できるのも海外旅行の醍醐味ではないでしょうか。
氷の洞窟「スーパーブルー」が形成される場所は、毎年異なる自然の産物
氷の洞窟は形成される場所が毎年のように異なるため、ガイドさんがシーズン前に氷河を確認して観光客を案内しています。さらに、氷河上には雪で見えにくくなったクレパスがあるため、ガイドさんの指示通りに歩きます。ただし、何時間も歩くわけではなく、今回は車から降りて数分でポイントに到着しました。氷河は生き物のように動いているので、大きさも場所も毎年のように異なるのです。氷河の上を車で登る、やることがダイナミックですよね。洞窟の上に到着すると、表面が青く見える場所もあり、氷河の上にいるんだなと実感します。氷の下はどうなっているのか、気持ちもはやります。氷の中に通じる通路のようになってところを降りていくと、中は広くも狭くないといった空間ができていました。水の流れと氷河の前進によって自然にできた通路を曲がると、電飾に飾られたかのような光が。自然の光を反射して中は美しい青の洞窟になっていたのです。
これが「スーパーブルー」と呼ばれて呼ばれる青さ。年によってはもっと巨大な空間ができることもあるようですが、まさに神秘的な空間です。氷の天井から通り抜けて来る光がその中にある氷を青く光らせているのです。後ろから光を当てているのではないかと思うほど、鮮やかな光に包まれていました。冬ならでは美しい自然の芸術です。幻想的、神秘的、なんと表現したらいいのか。
間近に見える氷河
ホテルへの帰路、山と氷河の美しい景色に出会いました。強風が吹く場所では、地吹雪となって道路がまるで海の道のようにぼんやりと浮かび上がるような光景、また、氷河が遥か彼方の山の向こうから流れ下ってくる光景、しかもそれがかなり近くに感じるのです。氷河がこんなに間近に見えるという場所もあまりないのではないでしょうか。まるで海の波が浜辺に近づくにつれて波がしらが高くなるように、“氷の波”がうねりながら押し寄せてくるようそんな感覚でした。迫力があり、実に美しい光景に素直に感動を覚えました。
登山家の田部井淳子さんは、なぜ山に登るのかと問われると「知らない場所があるからだ」と答えていたそうです。知らない世界や景色に出会えるというのは本当に幸せなことです。「いい経験こそ人生の貯金」とも田部井さんはおっしゃっていました。田部井さんのそんな言葉を何度も思い出させてくれる美しく圧巻の光景でした。参加した皆様も「やっぱり実際に来てみると違うな」ということを何度もおっしゃっていました。皆さまにこういった場所をご紹介できたことにもうれしさを感じずにはいられません。
旅の終わり
レイキャビック市内に戻り、数少ない観光ポイントをひととおり見た後、夕食、そして翌日はアイスランドの代名詞ともいえる巨大な露天風呂(プール)の「ブルーラグーン」を体験。立ち上る湯気でプールがどれくらいの広さなのかがよくわかりません。本当に巨大です。右へ左へと歩いてプールの端を確かめながら温泉を堪能しました。
そして最後の夕食はいつもの通り、レストランを決めずにその場で探してメニューもその場でアラカルトで注文。やはりいろいろなメニューを味わうことができる上に、驚きもあり盛り上がります。
まるで日本の居酒屋のような光景ですね。
ツアーの行程
ツアーの行程はこちらです。
・1日目
【午前】成田発、コペンハーゲンで乗り継ぎ)【深夜】レイキャビック着。
オーロラを期待しながらホテルへ <レイキャビック泊>
・2日目
【終日】ゴールデンサークル観光
●世界最大の間欠泉ゲイシール間欠泉 ●「黄金の滝」と呼ばれるグトルフォス滝
●巨大な大地の裂け目ギャウが見られるシングヴェトリル国立公園
【夜】混載バスにてオーロラツアーへ <レイキャビック泊>
・3日目
●世界最大の間欠泉ゲイシール間欠泉 ●「黄金の滝」と呼ばれるグトルフォス滝
●巨大な大地の裂け目ギャウが見られるシングヴェトリル国立公園
【夜】混載バスにてオーロラツアーへ <レイキャビック泊>
・3日目
【終日】アイスランド南岸観光
●落差40mのセリャリャンフォス滝 ●落差60mのスコガフォス滝
●岩柱が見事に並ぶレイニスフィヤトル <フナッパヴェトリル泊>
●落差40mのセリャリャンフォス滝 ●落差60mのスコガフォス滝
●岩柱が見事に並ぶレイニスフィヤトル <フナッパヴェトリル泊>
・4日目
【終日】氷の洞窟(スーパーブルー)とヨークルサルロン氷河湖見学
ヨーロッパ最大の氷河ヴァトナヨークトル氷河の下に形成された氷の洞窟を見学。
<フナッパヴェトリル泊>
<フナッパヴェトリル泊>
・5日目
【終日】レイキャビック市内観光<壺口泊>
●国会議事堂、レイキャビックのシンボル・ハットグリムスキルキャ教会
●迎賓館ホフディハウス <レイキャビック泊>
●迎賓館ホフディハウス <レイキャビック泊>
・6日目
【終日】世界最大の巨大露天風呂ブルーラグーン
アイスランドいち有名な巨大温泉プール・ブルーラグーンや街を散策するなどしてのんびりす
ごします。 <レイキャビック泊>
ごします。 <レイキャビック泊>
・7日目
【早朝】空港へ。【午前】レイキャビック発。コペンハーゲンで乗り継ぎ <機内泊>
・8日目
【午前】成田着。
・8日目
【午前】成田着。
(KW)