大人の寺子屋企画~鎌倉三十三観音御朱印ウォーク 第2回

2019年11月20日 快晴
講師:太田昭彦氏
(風来人87頁)または https://www.maitabi.jp/culture/

鎌倉三十三観音第1回


快晴の第1回目に引き続き、今回も真っ青な青空の中での御朱印ウォークとなりました。
前回同様、鎌倉駅前に集合しタクシーに分乗して、まずは鎌倉宮へ。


正式なお参りの仕方はあるのか?
広く知られている「二礼二拍手一礼」はいつ頃できたのか?
実は、拍手の時は右手を少しずらして叩くなど、知っているようで日本人でも意外と知らないお参りに関するトリビアな話からはじまりました。適度な長さとわかりやすい解説にやはり講師の太田さんの話術はさすがです。この日は運が良いことに、本殿の中で儀式が行われており、普段はあまり見られない装束の宮司さんたちが儀式を行う姿を目にすることができ、少し厳かな感じでのお参りスタートとなりました。


次の目的地は荏柄天神社。実は福岡の太宰府天満宮、京都の北野天満宮と共に三天神社と称される古来の名社なのです。そのため、菅原道真公が御祭神となっており、太田さんからは菅原道真公がなぜ学問の神様となったかなど、実に絶妙な解説。そういわれてみると、これまでなぜ菅原道真が学問の神様なのか考えてもみなかったことです。勉強になります。

境内には絵筆塚や樹齢900年といも言われる立派な御神木の大イチョウがあり、三十三観音の番外編ですが、意外と見応え十分です。
三十三観音以外にも見どころが多くためになるのがこのツアーです。

PB200174

PB200185

PB200183

この後、最初のお寺、来迎寺へ。
阿弥陀如来をご本尊とする時宗のお寺です。
浴室の守り仏といわれ、足腰の痛みにご利益がある「バツダバラ尊者」がちょうど修復を終えてお寺に戻られた時に出くわし、これもなかなかお目にかかれるものではなく、幸運が続いたようでした。この仏像の他に、足をくずした姿が特徴的な如意輪観音もありますが、土や漆を混ぜて型を作り、お像の衣を立体的に表現した「土紋」と呼ばれる技法が見どころです。


PB200194


秋晴れの爽やかな空気を感じながら、気持ちよく2つ目の宝戒寺へ。

鎌倉三十三観音霊場の寺院の中で唯一、准胝(じゅんでい)観音様をお祀りしているお寺です。
あまり聞き慣れない観音様ですが、多くの仏様を生み出されたので仏母(ぶつも)とも呼ばれています。また、門にはミツウロコの家紋が記されており、北条氏ゆかりのお寺でもあります。こういったことが少しずつわかってくるとお参りも楽しくなってきます。


PB200197

PB200196

庭を見渡すと、梅や桜をはじめとしていろいろな木々があり四季折々の花が咲くようですので、そういった花の時期にも訪れたいものです。


お昼の前、最後に立ち寄ったのが鶴岡八幡宮。
ここにも樹齢1000年と言われる有名な大イチョウがありましたが、2010年の3月に強風によって無残にも折れてしまいました。しかし、次の世代が少しずつ成長している姿を確認できました。鶴岡八幡宮はなんといっても源頼朝が鎌倉幕府の顔として建築したお社です。ここでは太田さんから源氏と平氏についての解説がありました。

PB200210

この後、中華料理の昼食を食べて、本覚寺、そしてユニークな名前の「ぼたもち寺」に立ち寄った後、3つ目の別願寺へ。こちらは小さめで、一見すると民家のような外観ですが、室町時代には鎌倉公方代々の菩提寺であった、とても由緒あるお寺なのです。

外見からするととても想像できませんが、そういう歴史に触れることも楽しいものです。

PB200228


4つ目のお寺は安養院。
マキノキの巨木や、鎌倉最初と言われる宝きょう院塔があったりしますが、ここで太田さんからはお釈迦様の身長はどれくらいだったかなどのちょっとしたクイズがありました。皆さんはどれくらいだと想像されますか?また、安養院というお寺の名前は、実は北条政子の法名に由来しています。観音堂にはご本尊の阿弥陀如来と千手観音の
他、北条政子の像も安置されているというお寺です。

PB200230

最後は、教恩寺。
総門上部に彫られた十六羅漢が印象的なお寺です。本堂を開けていただき、この日最後のお参りをさせていただき、参加した皆様に御朱印をお渡ししました。



PB200234

PB200233

この後、駅まで歩いて解散となりました。
今回も各お寺の特徴とそれに関連した歴史など、太田さんの絶妙な語りであっという間の1日となりました。ありがとうございました。合掌
(記事・写真/渡辺和彦)