まいたびレポート2020年1月23日~1月30日
講師:染野 豊氏

『タイ・ラオス・ランの楽園
 プールアン野生生物保護区と
「赤ハスの海」ノーンハーン湖』



元号が改まって最初のお正月を迎えた2020年。その1月下旬にタイとラオスを訪ねました。

まず、タイのほうですが、この時期は乾季にあたるためほとんど雨が降らず観光に最適の時期です。今回はそのタイの北部にある野生ランが見られる野生生物保護区と赤いハス(実際にはスイレン)が湖面を埋め尽くすノーンハーン湖へ。どちらも日本ではまだまだ知られてない穴場的なスポットです。特にプールアン野生生物保護区は観光客が行くような場所ではないですが、ラン好きにはちょっとした聖地とも言えるでしょう。


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日本からはベトナム経由でタイに入り、バンコクで1泊。翌日すぐに国内線でタイ北部のルーイという町へ。乗った飛行機は鳥のペイントが施された愛嬌あるノックエアーです。
暑い国のタイらしく、ホテルもレストランもその造りが開放で、ロビーやテラスをやさしく吹き抜けていく風がとても心地よくこ心がすっとします。ちょっとしたことですが、その国らしさを感じるこういう瞬間が海外旅行の楽しさでもあると思います。

タイフード万歳!
そして、そんな雰囲気の中で味わう本場のタイ料理。一層おいしく感じるのはやはり現地の空気の中で食べるからでしょうか。地元の人しか来ないようなレストランであればなおさら味が引き立つようにも思え、日本で食べるタイ料理とはやはり違います。味覚と視覚だけでなく五感で味わっている感覚がしてなりません。


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不思議で魅力的なガーデン
この旅の同行講師は樹木が専門。ホテルの周りでもいろいろな花や樹木を目にすることができ、解説していただきました。
巨大な青い実をつけた・・・、八重咲になったバターカップツリー、炎のような花をつけるカエンジュ。ブーゲンビリアはありすぎてほぼ雑木のような感じです。うらやましい限りです。

染野先生が次々と樹木や花について的確に解説してくれますので、みなさん興味津々です。

地元の人にとっては見慣れた樹木でも、私たちにとっては本物を目にできる貴重なガーデンです。


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ランの楽園ここに
さて、次にプールアン野生生物保護をご紹介します。野生生物保護ということもあり、レンジャーの方々が常駐しています。標高も1500mほどあるため、暑いタイの中にあって、一番涼しい場所としてタイでは知られているようです。台地上になった石灰岩質の保護区は広大で、迷路のように道が入り組んでおり、レンジャーが同行して案内してくれます。年中いるレンジャーですから、いつどこにどんなランが咲いているかを熟知しており、大き目のランから小さなものまでいろいろと楽しむことができました。
参加した皆さんが口にされていたのは、花の見事さはもちろん、どういったところにこれらの野生ランが実際に咲いているかがよくわかるということです。園芸種や展示で見るランとは違い、それぞれの野草が育つ環境を目にすることができることが、より一層花を興味深いものにしてくれます。木に着生するラン、日陰を好むラン、岩の上で張り付くように咲くランなど、文字通り色も形も様々で十人十色ならぬラン十色、やっぱり自然に咲く花はたくましさもあり、美しいですね。

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もっと花の多い時期にまた来てみたいところです。
そして、ホテルへ戻る途中で立ち寄ったお寺で見つけたホウガンノキ、通称“キャノンボールツリー”。文字通り砲丸のような実をつけることから名付けられたようですが、この木の花がまるで生き物のようでとても個性的でした。なんとも不思議な形をしています。
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赤いハスの海
翌日はタイでのもうひとつのお楽しみのノーンハーン湖へと移動。
「赤いハスの海」と言われるほど湖面を一面埋め尽くすハスが見られるのがこの時期です。実際にはスイレンですが、ここではハスと呼んでおきます。ハスの花は陽が高くなると閉じてしまいますので、まだ暗い早朝にホテルを出発しました。湖に到着したときにはすでに日は昇っていましたが、まだ早い時間でしたので、幻想的なハスの海を期待しながら2艘の小舟で出発。ポコポコと音を鳴らすこぶりのエンジンが、いかにも片田舎を醸し出してくれていました。

舟で移動すること約5分、ハスが少し遠目に見え始めました。さらに進むと、まとまった花が近づいてきて、さらに水平線が薄いピンク色に染まり、走れば走るほど、ピンクの花は増え、いつしかずっとはるか奥の水面までが一面のピンク色に。ハスのない暗い水面のほうが多かった舟の周囲の光景が、いつの間にか花の覆われた面積のほうが多くなっていました。自分たちの舟も他の舟も、まるで花の中に浮かんでいるかのような、正夢でも見ているようでした。すごい!素晴らしい!すごい!絶景というはまさにこういうことだと、皆さん言葉にならない光景が目の前に。

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本当に世界には想像を超えるような光景があるものです。どうしてこんなにも美しい光景になったのか。舟のエンジンを止め、湖に佇むと時間がとまったかのように静まりかえり、遠くを見渡せば、ピンクのハスの花の間からちらりちらりと姿を見せながらハスの葉の上を動くコサギの光景。ハスやスイレン自体はタイのあちこちで見られるようですが、これほど一面に咲くハスの光景はこのノーンハーン湖以外にはないそうです。
参加した皆様にとっても想像以上の光景だったようです。染野先生からは、日本で絶滅したか、ほぼ絶滅してしまった水生植物などがいくつかあり、生活排水などが入り込まずとてもいい環境が保たれているとのことでした。予定よりも時間をオーバーしましたが、ずっと見ていてもまったく飽きないそんな幸せな時間でした。これからますます観光客が増えてもこの光景が失われないでほしいものです。皆様にこの素晴らしい光景をご紹介できたことをうれしく思った時間でした。

タイからラオスへ
離れがたい気持ちをおさえて、ノーンハーン湖を後にラオスとの国境へ。国境になっているのは大河のメコン川。国境の検問所でタイの出国手続きを済ませ、さらにラオスへの入国手続きをして入国。挨拶はサワディカーからサバイディーに。ラオスに入国後、国境の橋を両国の中間地点まで歩きました。


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首都のビエンチャンはコンパクトな町。ラオスもタイと同様に敬虔な仏教国。日本とは異なる上座部仏教です。キリスト教でも宗派が異なると、教会の雰囲気やしきたりが異なるように、ここラオスの仏教建築は日本とは雰囲気がまったく違います。落ち着いた雰囲気の渋い日本のお寺や仏像と比べると語弊があるかもしれませんが、かなり派手です。

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ビエンチャンの観光ではラオスの紙幣にも描かれているタートルアン寺院はビエンチャン観光の中心的な存在です。その他、フランスの植民地だったことからパリの凱旋門をモデルにして造られたパトゥーサイやワット・シーサケートなどを見学。首都でありながら、どこか地方都市を思わせるような雰囲気と、ところどころにプチパリの雰囲気が漂うのがビエンチャン。

翌日はラオスの国内線で古都ルアンパバーンへ。東京から京都へと移動した感じでしょうか。ルアンパバーンは首都のビエンチャンよりも観光客は多く、昔ながらの景観が保たれている点ではこちらのほうが見応えはあると言えます。夕方の便でルアンパバーン空港に到着した時間はちょうど夕陽が沈む時、山入端に隠れそうになっていた太陽がとても印象的で、日本よりもゆっくりとした時間が流れているようなうっとりとさせてくれる夕日でした。


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翌朝は早く起床して、ルアンパバーン名物の托鉢の見学。やや肌寒い空気の中で待っていると、出発の合図の太鼓が鳴らされ、あちこちのお寺からお坊さんが出てきました。通りで出迎えて施しをする人たちは、一人一人のお坊さんの托鉢用の入れ物にもち米を入れていきます。ラオスではもち米が主食です。しかも赤いもち米です。私たち日本人にはお赤飯のような感覚です。托鉢見学に行かれる方は、くれぐれもフラッシュをたかないようにお願いします。


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この日は、世界遺産ルアンパバーンの観光です。当初はルアンパバーンに1泊の予定でしたが、フライトの都合でルアンパバーンに2泊滞在することとなり、たっぷりとルアンパバーンを楽しむ時間がありました。メインストリートでは毎日のように夕方からマーケットが開かれ、テントがあっという間に通りを埋め尽くします。毎日のように縁日が開かれているようで、B級グルメや雑貨などをそぞろ歩きで見ていると飽きません。さんぽが楽しい古都です。


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そんな光景を目にしながら、この町の象徴とも言えるプーシーの丘へ登ると山頂には夕陽が沈む光景を見ようと多くの観光客が待っているところでした。町のまわりゆったりとメコン川が流れ、少し霞んで見える山の向こう側に静かに沈む夕陽にうっとりとしてしまうのも無理もありません。

町中に戻ってからは、なんとなく通りを歩きながらお店に入って皆さんと楽しい夕食となりました。レストランを事前に決めず、現地で見つけてツアーに参加してくれた皆さんと夕食を楽しむということをこれまで何度やってきたでしょうか。添乗員としては決して楽なことではないのですが、どこの国でも地元の人のように食事をしているようで、旅の楽しさを食べものだけでなく味わってもらえるように思います。なので、これからも機会があればそういうご案内をしていきたいですね。


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観光をしながらも周辺の樹木に注目をしているのが私たちのグループです。マメ科の植物やカズラやキョウチクトウの仲間などをよく目にしたような気がします。


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今回バンコクを離れてからは、日中の気温も25℃前後ととても過ごしやすく、また乾季ということで雨にも合わず快適な気候の中での旅となりました。
お客様どうしは初めて顔を合わせる方もいらっしゃいましたが、最後には連絡先を交換し合うほど、ラオスのもち米のようにもっちりとした仲になっていました。
また、脱帽ものの日本語と愛嬌で案内してくれたタイとラオスのそれぞれのガイドの存在も忘れるわけにはいきません。彼らとの出会いも旅の味付けには欠かせず、それぞれの国に親しみを感じさせてくれる大切な役割をしてくれました。もう一度行ってみたい国がまた2つ増えたきがします。(KW)

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(記事・写真/渡辺和彦)