まいたびレポート2020年10月13日 
風来人「 目からうろこの小林流文化遺産探訪~基本をおさらい!
江戸城跡の文化遺産をめぐる皇居東御苑と北の丸公園」
【同行講師:小林祐一/旅と歴史のプロ・ナビゲーター】



小林先生の今後のツアー/毎日新聞旅行はこちら↓



秋晴れの陽気に恵まれた10月中旬、風来人講師の小林先生のツアーに添乗しました。

小林先生はまだ馴染みのない方も多いかと思いますが、風来人の新講師で文化財のスペシャリストです。今年の春に初陣を飾る予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でツアーの実施が困難となり、半年以上の月日を経てようやく日の目をみたというわけです。こちらとしても早く先生をご紹介したかったので、この日が本当に待ち遠しい限りでした。

最初の舞台は皇居。弊社からも近く、初陣にはぴったりのような場所です。
集合はランナーが周回する皇居のいっかくの桜田門。桜田門と言えば、やはりピンとくるのが「桜田門外の変」。最初のご挨拶を済ませ、いざスタートです。先生の持参する大き目のノートファイルを開き、出てきたのが歌川広重の絵。西のほうを見ながら、当時の彦根藩上屋敷跡の場所と照らし合わせて桜田門外の変の舞台裏まで解説していただきました。

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時折冗談も交えながら、さらに歴史的な背景を合わせて進む解説は、初心者にも非常にわかりやすい小林流。
桜田門をくぐり、枡形と門の解説で早くも“目からうろこ”の解説。瓦のデザイン、窓の下にある突起、石垣の表と裏、堀と濠、さらに濠の水のことなど、解説板もなく一人で何気なく来れば、立派な門だなと思うだけで通り過ぎてしまうところですが、次から次へとトリビア的な解説を加えてくれます。身近にありながらじっくり皇居を歩くこともなかった私にとってもまさに“目からうろこ”な解説の連続です。
丁寧に積まれた部分の石垣は、あのマチュピチュ遺跡を想起させるような仕事ぶりです。皆さんじっくり見たことありますか?写真だけみたら、まさにインカ帝国です。ほんとうに。

そのほか、二重橋のいわれ、辰巳門、内桜田門の「内」と付いている理由など、ナビゲーターならではの解説にまったく飽きることがありません。さらには「下馬評」の由来が、登城した主人を待つ供のものがしていた噂話からきていたというのには、思わずそんなことも知らなかったと私自身が少々恥ずかしくもなりました。先生ありがとうございます。

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このような調子で、見えない解説板を先生が皇居に追加しながら、淀みない解説がテンポよく進み、松の廊下へ。ここでも小林流の視点で解説。忠臣蔵の刃傷沙汰の疑惑や江戸城無血開城の裏話などについて解説を聞くと皆さんとても興味を持たれているようでした。これこそまさに大人のための、教科書では教えないそんな歴史の場面。「へー」、「ほー」が止まりません。

この日はちょうど江戸城を復元した模型の展示も開催されており、この城がいかにすごいものであったかということもよくわかりました。
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気が付けばお昼の時間。1万歩を超えた後の食事はおいしさもひとしおです。
歩いていけるところにいい場所があるんです。

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午後からの解説もいきなりの驚きから。お堀のいっかくにある石垣に刻まれた謎の「南無阿弥陀」の文字。最後の「仏」が消えているのか?これを知っている人がどれだけいるでしょうか。もちろん参加者のどなたも知りませんでした。お堀の水が高ければ沈んでしまい、また日の当たる角度によっては見えにくくなるというこの「鬼門」封じの文字は、時代を超えて皇居を守り続けている証です。

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この後は、平川門から天守台へ。平川門では、今なおいろいろな説のある不浄門についての話。罪人として扱われた浅野内匠頭もここを通ったのでしょうか。

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そして、中に入って驚く広大なスペースが本丸跡。
今は何もない芝生地ですが、ここにはあの大奥や御殿があり、将軍さえも簡単に出入りできないような環境だったとか。大河ドラマ「篤姫」を思い出します。そしてその先に残る石垣は、上物をなくした天守台。1657年の1月、本郷丸山の本妙寺から出火したとされる火は、多くの大名屋敷をはじめ、江戸の大半を焼き尽くしたといわれています。明暦の大火と呼ばれる歴史上最大とも言われる大火災によって江戸城は失われました。その際に、天守閣の再建よりも民の暮らしと町の復興を優先することを保科正之が進言したことで天守は再建されなかったとされています。今の時代にも通じるいい話です。
さらに北詰橋門、清水門、重要文化財の田安門と抜けて九段下で解散となりました。(下は東御苑で見つけたシュンランの仲間のマヤラン)
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今回、小林先生にとっては「毎日新聞旅行/まいたび」での最初のツアーとなりましたが、難しいような話も難しく聞こえない先生の解説には本当に驚きの連続でした。本も出版されている先生ですが、これからますます期待できること間違いなしです。
ぜひ皆様にもお勧めしたい小林流のツアーへのご参加をお待ちしております。