毎日新聞旅行ではコロナ禍における山小屋を支援する「山小屋応援活動」の一環として2021年度特製カレンダーを販売しました。このカレンダーは、苦しい状況が続く北アルプスを中心とした山小屋から直筆のメッセージを寄せていただき、挿絵とともにデザインしたものです。
この売上の一部を登山道整備などにご活用いただければと、協力金を贈らせていただいた「北アルプス登山道維持連絡協議会」様から、ありがたいことに感謝状が届きました。

この感謝状には弊社の名前が記載されておりますが、これは購入・応援してくださったお客様への感謝状に他ならないものです。皆様が、温かい気持ちで購入してくださったその気持ちへの感謝状です。略儀ではございますが、あらためて、皆さまにこの場をお借りして、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
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新型コロナウィルス感染拡大の影響で、普段聞きなれない「緊急事態宣言」なるものが発令された2020年。私たちはこれほど多くのツアーを端から端まで中止した経験はいまだかつてありませんでした。年が明けた2021年になっても、これ以上ないほど歯痒い状況が続いております。
発令当時、未知なるウィルスということで、日本全体が沈鬱な雰囲気の中にあり、その中でも多くの業界と同様に旅行業界も見えない何かに大きく翻弄されたと感じます。

2020年春、先のまったく見えない苦しい状況が続く中で、何か少しでもツアー以外の収益を上げなければ座して死を待つようなものだという切迫した気持ちになっていたのも事実です。そんな時、いつもよく顔を合わせるメンバーが集まった何気ない会話の中から、「そうだ、カレンダーを作ってみようか」という声が上がりました。「それもオリジナルの」。

「オリジナルってなんだろう。旅行会社ができることってなんだろう。ツアー企画じゃなくてカレンダーを作っていていいのだろうか」そんな葛藤の中、意見を交わす毎日でした。

コロナが世間を騒がせるようになってから半年ほど過ぎた8月の暑い盛りには、半ば半信半疑で会話の話題にのぼった「まいたび®︎オリジナルカレンダー」は日に日に現実味を帯びて、デザインは山旅パンフレットの表紙を飾り続けてきたイラストレーター酒井氏のデザインを採用することになりました。
カレンダー制作の時期としては決して早くはなく、むしろ間に合うのかと焦っていたように思います。ツアーの企画を考えながら、他の仕事も同様に続けながら、毎週のように打ち合わせを重ね、大きさや、各月へのイラストの割り振り、日付のレイアウトなど、カレンダーを作るとは夢にも思わなかったメンバーなのでいろいろと試行錯誤をしました。

そして、最後まで悩んだのは、「まいたび®︎」らしさです。
その答えは、「山小屋さんからのメッセージを入れてみてはどうだろう」となりました。このコロナで困っているのは弊社だけではありません。いつもお世話になっている山小屋さんも同じように苦しい経営状態であることは考えるまでもないことでした。

「そんな山小屋さんから直筆メッセージをいただいて、希望あふれるカレンダーにしよう!」
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そして、どれだけ売れるかわからないけど、売り上げの一部を協力金として登山道整備などに当てていただこうということになりました。登山道の整備はかなりの重労働であり、ほとんどは山小屋のスタッフ皆さまの献身的な努力によって、安全な登山道が保たれていることを私たちは知っています。

これまで山小屋を利用されたことのあるお客様、登山をされたことのあるお客様に共感を。そして、たとえ山小屋を知らなくても、日本の山々を大切に支えてくださっている方々がいらっしゃることが簡潔に伝わるように、ともにこの苦境を乗り切るためのメッセージをいただくことにとても意味があると思った次第です。その力強いメッセージをカレンダーで眺めながら、少しでも上を向いて2021年を過ごしていただければ、これほど嬉しいことはありません。

日本各地にたくさんある山小屋のなかから、一部の小屋を選ばせていただき手紙を書いてお送りさせていただきました。ほとんどの山小屋から協力的な回答をいただき、できるだけ書き手の筆跡がわかるようにそのままをカレンダーに取り込んでみました。他にはない、オリジナルにふさわしいデザインが目の前に出来上がったと思います。販売開始までは時間がなく、お客様配布用のチラシを作り、さらにインターネットからも購入ができるようにと、既存の「まいたびホームページ」とは別に、ショッピングサイト「まいたび商店」というお店を立ち上げることもできました。

それだけに留まらず、このカレンダー企画を始め、YouTube「まいたびチャンネル」、登山に行けない方々の想いを届けるサービス「山に想いを」といった新企画が生まれるとともに、私たちの普段の仕事の取り組み方を変えました。コロナ以前は部署ごとでの仕事が多く悪く言えば縦割り組織であったのですが、このカレンダー制作は、部署を越えていろいろな人間が関わって生まれたものです。これまで一緒に仕事をしたことがないメンバーとも壁を乗り越え手を取り合い、それぞれが得意な分野や能力を生かして作り上げることができました。
なんとか私たちの想いが伝わってほしい。売り始めて予約が来たときは本当にうれしかったです。

暖かいメッセージを書いて購入してくれるお客様、電話口で「応援してますよ、頑張ってください」「山小屋さんのためになるなら買います」など励ましのお声を直接言ってくれるお客様。また添乗員さんやガイドさんの口コミも多く、そんな皆さまと関われてきたことに想いを巡らせずにはいられませんでした。コロナで沈んでいる気持ちが本当に癒されました。
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「なぜ旅行会社がツアーではなくモノを売るのか」といった声があります。
私たち毎日新聞旅行/(株)毎日企画サービスは、お客様に喜んでいただき、社会にとって役に立つことに価値を感じています。今このような時だからこそ旅行業の資格と知識と経験を生かして多くの協力会社の皆様と力を合わせ、お客様や社会が望むこと・お役に立つこと・お喜びいただけることを追求し、安心できるモノやサービスを生み出し、自信を持ってお勧めしたいと、念願しております。
ツアー企画担当者も、まいたび商店企画チームも、取り組むテーマは違ってもいつもお客様の顔を思い浮かべながら、心を込めております。緊急事態宣言中につき、ツアーを催行できない日々が続くことに忸怩たる思いですが、そんな状況であっても皆様と一緒に前を向いて一瞬でも1秒でも笑顔で笑い合えるように、安心していただけるように、そんな商品をご紹介する「まいたび商店」に育てていきたいと思っております。

まいたび商店では、これからも一つ一つ心を込めた商品を販売してまいります。旅行ツアーともども、皆さまとの物語がこれからも続くことを楽しみにしてくだされば、社員一同嬉しく思います。

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心を込めて封入作業