一足早い秋を探しに
「羊蹄山とニセコアンヌプリ」ツアー同行記


「現在、千歳市の天候は晴れ、摂氏23度、今日は30度まで上がる予定です。それではどうぞ、良い旅を」

朝8時40分、羽田から新千歳に向かう機内の中。
空港到着前の機長アナウンスを耳にして、軽く舌打ちする。
ああ、北海道も暑いのか~。
出発した東京は厳しい残暑で朝から汗だくだった。
そんな東京から離れ、少しは避暑気分が味わえるかなと期待しての出発だったけれど、そんなにうまくはいかないものだな、と、暑さを覚悟して空港の外へ。
と、意外にも、肌を撫でる風はカラッと爽やかで、私はおっ?と顔をあげる。
気温云々の前に、まず湿度がなくカラッとした空気が気持ちよく、それはまるで東京の10月体育の日の頃のような、秋の透明な空気感なのだった。
さすが北海道、北の大地。

今回は、1泊2日の短い旅だ。目的はシンプルにただ一つ。
百名山のひとつ、羊蹄山登頂。蝦夷富士のニックネームどおり、きれいな円錐型の山だ。
雲に邪魔されることもなく、バスの車窓から、そして初日に足慣らしとして登ったアンヌプリから、翌日に登る山をしっかりと目に焼き付ける。

写真01_カラッと気持ちの良い秋の空気。 
写真で伝わりますか?このカラッと気持ちの良い秋の空気。

写真02_羊蹄山(アンヌプリ頂上より)
どこからみても、完璧なプロポーションの羊蹄山(アンヌプリ頂上より)


この日はニセコ昆布温泉の歴史ある温泉宿に投宿、数ある露天風呂(なんと混浴もありました!)で移動の疲れを取り、蟹やメロンといった北海道の食材でエネルギー補給、翌日の羊蹄山登山に備えて早めに就寝となった。


翌日は早朝、ほぼ日の出とともに登山開始。
羊蹄山の標高は1898mなので、まあ大したことないかな?と一瞬思うが、登山口の標高は350m、標高差1500m以上を上がるので、なかなかの長丁場。
それでも、ベテランガイドの清野さんの、「大丈夫、全員登らせるよ!」の心強い声を胸に、ゆっくりと、でも着実なペースで高度を上げていく。
ちょうどよいタイミングで「x合目」の標識がでてくるので、休憩のリズムも掴みやすい。
個人的には、この標高差に伴って変わっていく植生に目を奪われ、また、北海道の緯度ならではの、標高が低いのに森林限界をさっと越え、高山植物の世界に入っていく様子が楽しく、5時間半の登りも、意外に時間を感じない。
頂上近くはすっかり秋の装いで、6月に訪れたときに目にした花たちが、2ヶ月半後の今回は、赤青黒色の可愛らしい実になっていることに、北の大地の季節の移り変わりの早さ、夏の短さをしみじみと感じた。

写真03_登山口はまだ夏の雰囲気

写真04_登山口はまだ夏の雰囲気

写真05_登山口はまだ夏の雰囲気
登山口はまだ夏の雰囲気


写真06_ハイマツ&ナナカマド地帯
森林を抜けハイマツ&ナナカマド地帯になると、秋の気配が


写真07_ななかまどの実が見事
ななかまどの実が見事


写真08_小さな秋が、あちこちに

写真09_小さな秋が、あちこちに

写真10_小さな秋が、あちこちに

写真11_小さな秋が、あちこちに

写真12_小さな秋が、あちこちに

写真13_小さな秋が、あちこちに

写真14_小さな秋が、あちこちに
小さな秋が、あちこちに


上まで行くと、あいにく霧の中だったが、頂上の記念写真の時間には、青空も出てくれて、火口もちらりと姿を現してくれた。
雨も風もない落ち着いたコンディションだったので、頂上でゆっくりと昼休憩をとりエネルギー補給。
帰りは同じ道を、また、一合、一合と下山して秋から夏へと戻って終了。
全員が元気に登頂できた、良い山行となった。最後は、登ったばかりの羊蹄山を見ながら温泉につかり、長く、でも、あっという間だった1日の感想を言い合いながら家路についた。


写真15_瞬真っ白になった時間もありましたが
一瞬真っ白になった時間もありましたが


写真16_雲が流れて火口もきれいに見えました
雲が流れて火口もきれいに見えました


写真17_せっかくなので記念写真
何もみえずとも、頂上ついたら、せっかくなので記念写真


写真18_頂上でランチ、ほっと一息の時間
頂上でランチ、ほっと一息の時間



<文章・写真>
添乗員/青崎涼子
通訳案内士(英語)、JMGA認定登山ガイド。 
海外のトレイルを日本の方に、日本のトレイルを海外の方に案内する仕事を天職と思って長らく続けていたが、2020年、海外旅行が止まってしまったため、今年より日本のトレイ ルを日本の方々と歩く、新しい仕事様式に挑戦中。
ずっと遠くばかりを見ていたけれど、足元(日本国内)の美しさにはっと気づかされる。
北の大地好きとして、北海道の自然は堪らない。
9月にはもう一本、北海道の旅が続きます!