歩行能力UP講座 第3回 同行レポート(M4313)


「歩く」。
基本的すぎて、息をするぐらいに無意識で行っている動作ですよね。皆さんは意識したことありますか?(私はありません)

「歩行能力UP講座」
元・北海道警察山岳救助隊、山岳ガイドの阿波徹氏を講師に、全9回で、山での高尾から雲取までの稜線を歩いていくシリーズ。
今回は、秋晴れが気持ち良い11月の初旬、紅葉始まった陣馬山をスタートする、第3回目に同行してきたレポートです。

緊急事態宣言も終わり、ようやく社会も落ち着いてきた11月の晴れた週末、東京人の裏山の入り口、高尾駅は朝からバックパックを背負った登山客で大賑わい。
今回の参加者17名と講師の阿波さんとともに、増便されたバスで陣場高原下へと向かいます。
登山口で参加者同士の自己紹介を終えると、1枚のレジュメが配布され、早速阿波さんのレクチャーが始まります。

小さい頃、砂利道など未舗装道で育ってきた20、30年前に比べると、ずっと舗装道を歩いている最近の街の人は、随分と「ちゃんと」歩けなくなっている、と。
ガイドをする中で、疲れず怪我せず、正しく歩いてもらうにはどうしたらよいのか、どう伝えたらよいのか、を追求していったのがこの講座なのだそうです。
「重心位置を知る」という今回のテーマに沿って、阿波さん手作りの骨盤模型を見ながら、どう骨盤を動かせばよいのか、参加者が、理想のフォームのイメージしやすいよう、何度も言葉を変えて、分かりやすく説明してくださいました。

写真1 模型で骨盤の動きもイメージしやすく
模型で骨盤の動きもイメージしやすく


なんとなく頭で理解できたら、すぐに実践。
実際に山道を登り降りしながら、今受けた「重心を考えながらの歩き方」を体に染み込ませていきます。
「意識して歩くことで、トレーニング効果は30%高まる」のだそうです。
日頃、足裏の力の入り方、体の重心がどこにあるのか、登り降りする中で重心位置がどう動いていくのかなど、考えたこともないため、最初はぎこちなく、右足右手が一緒に出てしまったり。
そんななか、阿波さんは我々の隊列を行ったり来たりと動き回りながら、皆が歩く姿を見ながら一人一人にアドバイスを入れ、質問にもその場で答えてくださるので、徐々にコツを掴んでいきます。
よく、山は「小股で、小さい一歩で歩け」と言われますが、ああ、その裏にはこういった論理があるからなのか!と、なんとなくやってきた動作すべてに溜飲がさがります。

写真2 机上だけでなく、実際に歩きながら
机上だけでなく、実際に歩きながらアドバイスを受けられるのが、この講座の一番良い点。


この日の行程は陣馬山から生藤山までの約10キロ。
和田峠を過ぎてからの地味なアップダウンの繰り返しで疲労も溜まり始めた午後には、ヨガのインストラクターの方と共に考えたという通称「あわっちストレッチ」で、足に疲労をためないストレッチを教わります。
ゆっくりした動きなのに、ふくらはぎ、腰、大腿四頭筋に、じんわりと効いていくのが分かり、これは毎回やってみようと、頭に叩き込みました。

写真3 「あわっちストレッチ」で足の疲れを抜く
「あわっちストレッチ」で足の疲れを抜く。


そうそう、私が今回一番驚いたのは、皆さんの足音がしないこと。
普段、先頭を歩くときは、後ろに続く人は、振り返って確認する以外にも、なんとなくの気配を感じながら歩いているのですが、この気配が全然せず、すごく静かなのです。
あれ、後ろついてきていないのかな?と心配になり振り返ると、いやいや、すぐ後ろに皆さん軽快に歩いていらっしゃる。
阿波さんは、「正しい歩き方をすれば、無駄な力が入っていなければ、どたどたとした足音はしない」と説明されましたが、本当にその通り!

写真4 あまり気配を感じない隊列
20人で歩いていても、あまり気配を感じない隊列。(上手に歩いているから!)


秋の日はつるべ落とし。
午後3時すぎには気温も下がり始め、色づき始めた紅葉が、夕陽の光を受け輝きはじめます。
朝10時から歩き始め、長い1日ではあったけれど、誰もペースを落とすことなく、16時半、下山口の軍刀利神社に降りることができました。

写真5 最後の500mの下り
最後の500mの下りも、力むことなく疲れず歩けたのではないでしょうか。

この講座はシリーズもので今回が3回目。リピーター参加の方が多いのも特徴でした。
講座でヒントを掴んで、実際に歩き方のよい変化を実感されているからこそのリピーターの方々の存在だと思います。
講座は、来年の春まで続きます。「歩く」は、山だけでなく、日常生活の基本の動作。
疲れずに、美しく、怪我せず(バランスを崩さず)歩けるようになるこの講座、気になる方はぜひ一度参加してみてはいかがでしょう。


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生藤山~浅間峠 【歩行能力UP講座】立脚と遊脚<2021年11月20日(土)>
丸山~槇寄山 【歩行能力UP講座】登坂まとめ<2022年3月12日(土)>
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三頭山~奥多摩湖 【歩行能力UP講座】下り坂まとめ<2022年4月16日(土)>
鴨沢~雲取山~三峰神社 【歩行能力UP講座】ゆっくり長く距離を歩く<2022年5月6日(金)※一泊二日>


<文章・写真>
添乗員/青崎涼子
通訳案内士(英語)、JMGA認定登山ガイド。
ここ10年は、海外のトレイルを日本の方と、日本のトレイルを海外の方と歩いてきましたが、現海外旅行が止まっている今年、北海道、東北、上信越、と国内で多くの山歩き、トレイルを踏めたこと、まいたび参加者の皆様との楽しい会話の数々は、「人間万事塞翁が馬」だよなと実感する11月です。