雪の蔵王・熊野岳



①地蔵尊も雪の中(編集済)
地蔵尊も雪の中

2016年にガイドさんと登ったコース。今年は雪が多いので、本体よりひと足先に先行して下見に行きました。始発の新幹線で行く予定でしたが地震で運休になり、夜行バスは苦手ですが運良く3列シートが取れました。春休みに入り、混雑するバスタ新宿を日付が変わってから出発。

2022年3月26日(土)早朝、蔵王温泉に到着
宿泊先のホテルルーセントタカミヤに不要な荷物を置かせて頂き、始発のロープウェイに乗るため蔵王山麓駅へ。チケットを購入しようと窓口へ行くと、接続するゴンドラが強風の為運休とのこと(T_T)
下はほとんど無風。幸い夜行バスにしたおかげで時間には余裕があります。気を取り直し、樹氷高原駅から歩いて登ることに。
バックカントリースキーヤーの方がシールを付けていたので少しお話しをすると、スキーのガイドもされるという地元の方。今年は例年より2m位雪が多く、この後11時頃から雨予報なので、今日は無理しない方が良いとの事。
ひとまず地蔵岳を目指しますと、お別れして黙々と誰もいないゲレンデ脇を登って行きました。
ザンゲ坂に向かって行くと、上から滑って来るスキーヤー??中央ロープウェイとペアリフトを乗り継ぐとザンゲ坂の下まで登れる事が後でわかりましが、このロープウェイも午後には停まってしまいました。下のロープウェイが止まることは、少ないそうです。
少し標高が上がってクラストしてきたのでここでアイゼンを付け、明日のロープウェイの運航を心配しながら ザンゲ坂の急登を登ります。ゴンドラの終点地蔵駅に到着。
③地蔵山頂駅(編集済)
地蔵山頂駅

ここ迄は運休するほどの風はありませんでした。曇っているものの視界は良好です。
ピラミダルな祝瓶山、大朝日、月山と真っ白な峰々を眺める事が出来ました。
②曇天ながら視界は良好(編集済)
曇天ながら視界は良好

④わずかに残るモンスター(編集済)
わずかに残るモンスター

地蔵駅周辺は、以前来た時とは大違い。スキーヤーの為と思われるロープがぐるりと張られ登山道をしめす道標も雪の上にわずかに上部が見える程度。回り込んでようやく見えました。地蔵尊も胸から下は雪の中。ロープを潜らないと山頂方面に行けません。少し風が強くなって来ましたが、10m/s位。しかし、地蔵岳の山頂直下からいきなりの強風。立っているのも大変。久々に体験する20m/sを超える強風です。  写真を撮って早々に下山。
⑤地蔵岳山頂(編集済)
地蔵岳山頂

2016年の時は快晴。今年は3月とはいえ雪山の厳しさを再認識。
下りはリフトには乗れないとの事で、明日コース変更になった時に対応できる様に、下りはロープウェイを使わず、最短ルートを歩いて降りました。そしてホテルに戻ったところで雨がパラパラ。
観光協会に寄って悪天時の対応の為の情報収集。15時、添乗業務をお任せしてしまった豊岡さんとお客さまと合流。今日の様子からワカンは不要である事。明日も強風予報の為、今日と同様にゴンドラが動かなかった場合は歩いて地蔵岳を目指す事などお伝えしました。
蔵王山という山は無く、深田久弥さんも

「われわれが蔵王と呼ぶ時には、この一連の山脈を指して言う」

と日本百名山の中で書かれています。
運休となったとしても蔵王の頂に立ちたいと思いました。夜のうちに前線が通過し、少しでも良くなることを願って、あとは温泉とおいしい食事を楽しみました。ホテルフロントで無料のチケットを貰って、外湯を楽しむ事が出来ます。雨が降っていましたが、とっても良いお湯でしたと笑顔のお客さまとすれ違いました。ホテルの温泉も乳白色のお湯で、とっても良いお風呂です。お風呂を出た後も洋服から硫黄の香りがしました。前線を伴った低気圧は夜半に通過し、天気は午後から回復の予報。

 27日(日)ロープウェイが動くかは、試運転してから決まる為待つしかありません。幾つかのパターンを想定して暫く待機。8時40分、予定通り運航される事になりました。
ほっとしたのも束の間、地蔵駅に降り立つと外は昨日とは比べものにならない風と寒さ。寒さ対策をし、アイゼンを付けて先ずは地蔵尊へと出発したものの、目と鼻の先ですが近くに行かないと真っ白で見えません。山頂では昨日ほどの風は無く写真を撮って、熊野岳を目指しました。
 しかし、ワサ小屋跡を過ぎると急に風が強くなり、靴マーク3の初級コース。残念ですが無理せず戻る事にしました。昨日の雨で更に落ちてしまった霧氷ですが、この天気でエビの尻尾がアオモリトドマツに再び出来始めていました。蔵王のアオモリトドマツは、「トドマツノキクイムシ」による立枯れが問題となっています。
⑥霧氷が発達中!
霧氷が発達中!

木のみならず、ザックやニット帽の周りにも氷の塊がキラキラ。地蔵駅に戻ると、ストックがアナと雪の女王の世界。
⑦ストックも凍り付く!
ストックも凍り付く

熊野岳に行けなかったので、ミニ歩き方講習してゴンドラに乗り込みました。
⑧ゴンドラで下山
ゴンドラで下山

風が急速に体温を奪っていく事、悪天候時はアイゼンを付けるのも大変な事などを体感しました。時に悪天候に遭うことも、装備の見直しを含め必要な事かもしれません。機動力を活かして高みに運んでくれる今回のようなツアーだからできる事。もちろん、一度体験できれば良い事で、次回は青空の頂へ!


~2016年のツアーの様子は下記へ~


雪の百名山 蔵王 熊野岳

2016年3月27日(日)すっかり春めいた東京駅を後に一路山形へ向かいます。
今日は移動日。今夜の宿泊地は「日本の宿100選」に選ばれた「蔵王四季のホテル」
①快適なホテルです
快適なホテルです

ホテルの前から108歩の「離れ湯 百八歩」
②百八歩ではたどり着けませんでしたが・・
108歩ではたどり着けませんでしたが…

③二日酔いになるまで飲んではいけませんね
二日酔いになるまで飲んではいけませんね

(カランコロンとサンダル履きでは、208歩かかりましたが・・・)

「できるだけ郷土の味をそろえました」とお品書きに書かれたおいしい食事を頂き、明日に備えます。
④地産美味「早秋の蔵王山懐膳」
地産美味「早秋の蔵王山懐膳」

東北山岳ガイド協会の近藤明ガイドも合流。

28日(月)快晴の朝を迎えます。
朝食はバイキングです。宿のバスで蔵王山麓駅へ。樹氷高原駅でゴンドラに乗り継ぎ、地蔵山頂駅へ。
事前に問い合わせた際は、トレースが無いかもしれないとのことで、スノーシューも持参しましたが、アイゼンを付けスタート。
⑤アイゼンを付けてスタート
アイゼンをつけてスタート

気温はマイナス5度。風もなく穏やかな雪山です。
⑥スノーシューはザックに着けて登ります
スノーシューはザックにつけて登ります

⑦熊野岳をめざして
熊野岳をめざして

途中1回の休憩をはさみ、1841mの熊野岳頂上
⑧笑顔がこぼれます
笑顔がこぼれます

⑨二等三角点とえびのしっぽ
二等三角点とえびのしっぽ

ここまで、実働1時間16分。熊野岳からは東北の名だたる山々が見渡せました。
⑩大展望が広がります
大展望が広がります

西側に安達太良山・東吾妻山・西吾妻山・北西に飯豊山・大朝日岳・月山と大展望が広がります。帰路はお釜経由で、青い空と白い雪の中を下ります。
⑪澄み渡る青空。
澄み渡る青空

順調に歩を進め、地蔵山頂駅に戻ります。
⑫お賽銭箱はそりで移動?
お賽銭箱はソリで移動?

ロープウェイとゴンドラのおかげで、短時間でこの素晴らしい景色に出会えます。山麓駅に戻り、各自で昼食とホテルに戻り入浴。偶然入った「しばママのお店」はプロスノーボーダー斯波正樹選手のお母さんのお店。
⑬野菜たっぷりのちゃんぽん麺
野菜たっぷりのちゃんぽん麺

「野菜たっぷりちゃんぽん麺」は絶品!
 時期が遅く、樹氷は見ることができませんでしたが、今回も天気に恵まれ素晴らしい景色を眺めることが出来ました。荒天時は厳しい顔を見せる雪山!
事前にアイゼンと靴をきちんと合わせ、防寒・暴風対策も整えチャレンジしてくださいね。