積丹半島トレッキングと積丹岳 ガイド記
こんにちは。青崎です。
アウトドアに開眼したのがアラスカの大地だった私にとって、北海道は、チラッとアラスカの大地を思い起こさせる大好きな場所。広い空、人工物の見えない地平線、空港を出た時に感じる、北を感じさせる凜とした空気。好きな場所を皆様へご紹介できる、共に旅できるのは、この上なく幸せな時間です。今回は、まいたび初の企画となる積丹半島、そして積丹岳を歩いてきました。
<積丹半島トレッキング>
「積丹半島って響きに興味があったのよ」と参加者のお一人。
火山でできたこの半島は、堆積岩が削られていき、海岸線は奇岩立ち並ぶ独特の景観が見られることで有名。「日本の絶景百選」にも入っているのだとか。しかもこの時期は、エゾカンゾウ(ニッコウキスゲ、ゼンテイカとも)のオレンジ色が大地を覆い尽くし、積丹ブルーの海との対比がきれいな景色が楽しめます。
残念ながら、予定していたトレッキング道「シララの道」は、熊出没のため通行止めになっていましたが、まあ、これも北海道。自然の掟には従うのも大切ですね。個人的には、全部やりきるのではなく、何かやり残しがあった方が、また来たくなる動機づけにもなるので、こういう展開は嫌いではないです。
<6月の積丹といえば…>
宿泊したのは、美国漁港のある集落。まいたびのパンフレットではあまり大きく謳っていませんが、この時期の積丹といえばウニ。お宿の若女将曰く「全国から、うちの食事を食べにだけくるリピーターさんが何人もいらっしゃいますよ」とのこと。積丹のなかでも、この美国のキタムラサキウニは、白色のキレイさで知られるそう。生ウニの塩水、生ウニ散らし御飯…。そのほかにも本鮪やらアワビ、トウモロコシのかき揚げと、北海道の旬の味覚が満載の懐石料理は、盆と正月が一気にきたようなご馳走で、舌鼓をうつ夜でした。
翌朝。登山の朝は早いもの。いつもなら慌ただしくごはんを掻き込んで、どたばたと出発する朝食も、今回はそうはいきません。ぴっかぴかのイクラがお皿に鎮座しており、思わずご飯お代わりする方も数名いらっしゃいました(なお、私は3杯いただきました。明らかに食べ過ぎです。)
<積丹岳>
さてさて、この旅1番のハイライトは、「積丹半島で登れる最高峰、積丹岳1255m」への登頂。
半島の最高峰は、すぐ隣にある余別岳1298mですが、こちらへは登山道は通じておらず、もっぱらスキーで登られることが多いのだとか。というか、積丹半島で登山道がついているのは、今回登る積丹岳しかありません。地元の方にとっては、この時期、タケノコ(この地方では、小さな根曲竹のこと)を取りに来る場所のようですが、私たちは頂上を目指します。
チシマ笹の藪をすぎると、徐々にお花たちがお出迎え。数多くの登山道を歩いてきた参加者の方々からも、「ここはすごいわねー!、これは花街道だわ」と歓声があがります。疲れ知らずで歩いていける、花の小道が、どこまでも続くのでした。
ハイマツうねる頂上につくと、それまでのガスがかった景色が、ふっとクリアに。青空も覗くなか、残雪マダラ模様の余別岳、奥には前日訪れた神威岬までもが姿を出してくれ、頂上からのパノラマを楽しみました。
登山の旅ですが、山だけでなく、旅のエッセンス…その土地ならではの景観、文化、旬の食を取り入れ、五感全部で訪れた土地を堪能できると旅の充実度が増します。今回は、歩いて、見て、食べて、と6月の積丹半島を味わい尽くした2日間でした。
【写真/文 青崎涼子】
青崎涼子
通訳案内士(英語)、JMGA認定登山ガイド。
今年は屋久島や佐渡島を訪れていますが、どうやら私は、島とか半島とか、アクセス遠い場所の秘境感、独特な雰囲気に心惹かれるようです。夏本番も間近ですね。安全第一で、楽しく夏山を満喫しましょう!
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