登山コラム《山記者小野博宣の目》
富士山1合目~5合目(山梨県)
-東京・安心安全富士登山2022-ステップ5

登山初心者を富士山頂に誘う「安心安全富士登山教室」(主催・まいたび=毎日新聞旅行)もステップ5・富士山1~5合目となった。
気温が30度を超えた2022年6月25日、富士山麓の茶店「中ノ茶屋」前には、42人の参加者が集まった。
引率は、小田口尚史・登山ガイドら5人だ。
小田口ガイドが「中ノ茶屋からスタートします。ゆっくり歩きます」と声をかけた。
午前10時40分、出発した。ヒグラシの合唱を聴きながら、樹林帯の中を進む。
道はゆるい登りだ。
午後12時06分に、登山口となる「馬返し」に到着した。
水を飲み、トイレに行き、靴ひもを締め直して、同21分に歩き始めた。

DSC_4070馬返しをスタート
馬返しをスタート

江戸時代、馬で訪れた人々は、ここで馬を返して、富士山に登ったという。
だから「馬返し」の地名となったのだろう。
道沿いには数多くの信仰や宿泊施設の跡が残っている。
これも見どころのひとつだ。
また、この「吉田口登山道」は、富士山の登山道で唯一、麓(ふもと)から山頂まで続いている。
さらに、世界遺産の構成要件にもなっている。
つまり歩ける世界遺産ということになる。

DSC_4056フタリシズカ
フタリシズカ

小田口ガイドは「少し苦しいなと感じたら深呼吸して歩いてください」「(息を)吐く方は一所懸命に吐き、吸い込む方は自然に」と声をかけ続けた。
地面には、一辺が2mほどの正方形の木の枠があり、枠の中には人の頭ほどの大きさの石が敷き詰められている。
「(木の枠内に)水をためて地下に吸い込ませる浸透枡(ます)です。(降雨時に)登山道が川になってしまうのを防ぐためです」と解説した。
一行は10人ずつに分かれ、4隊で歩いた。
2隊目を引率したのは、正清広美・登山ガイドだ。
正清ガイドは休憩の際に、「長時間の休憩をとると、ドカッとたくさん食べてしまいがちです。その後歩くのが嫌になることがあります。ですから短い休憩をたくさんとりましょう」などと注意喚起した。
2合目、3合目と順調に高度を上げてゆく。
右手に河口湖や三ツ峠山(1785.2m)が見えた。
参加者は「絶景」「高いところまで来た」と歓声を上げた。

DSC_4163河口湖方面
河口湖方面

4合5勺(2050m)の小屋前で最後の休憩を取った。

DSC_4102廃屋
廃屋

標高はいつの間にか、2000mを超えていた。
正清ガイドは「あと少し。(5合目の)佐藤小屋まで頑張りましょう。あと30分強です」と励ました。
さらに「足を前に出せば、必ず山に着く。どんなにゆっくりでも足を止めない」「もうすぐ今日の最高点(約2300m)ですよ。頑張れー」と気合を入れた。

もう少しで(モザイクあり) (3)
5合目までもう少し

午後3時過ぎに、一行は5合目に到達した。
佐藤小屋が見えると、「やっとたどりついた」と安堵の表情だ。
後はスバルライン5合目のレストハウスまで、平たんな道を歩くだけだ。

ハイタッチ(モザイクあり) (1)
5合目の佐藤小屋にてハイタッチ

女性の参加者の一人は「5合目まででとても疲れた。こんなことで富士山頂に行けるのだろうか」と気落ちしていた。
筆者は「必ず登れますよ」とお答えした。
単なる気休めではない。
参加者の皆さんは、高尾山(599m)、筑波山(877m)と練習を重ねてきた。
その成果もあり、1~5合目の標高差約1200mを登り切れた。
実力と体力は確実についている。
さらに、本番では7合目(2700m)で一泊し、英気を養う。
2016年にスタートした教室では毎年、登山初心者の皆さんを富士山頂にお連れしてきた。
その人数は300人ほどになる。
その経験からも「必ず登れる」と言い切れる。
後は本番に備えて体調を万全にし、ステップ6・硫黄岳(2760m)に挑戦していただければと思う。参加者の皆さんと富士山頂に立つことを心待ちにしている。

DSC_4203富士山頂方面2
富士山山頂方向を望む

●筆者プロフィール●
1985年毎日新聞社入社、東京社会部、宇都宮支局長、生活報道部長、東京本社編集委員、東京本社広告局長、大阪本社営業本部長などを歴任。2014年に公益社団法人日本山岳ガイド協会認定登山ガイドステージⅡの資格を取得。毎日新聞社の山岳部「毎日新聞山の会」会長

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2022年7月29日(金)・8月18日(木)・8月28日(日) M5198 安心安全富士登山 富士山2泊3日