北岳と間ノ岳

1久しぶりの朝焼け
朝焼け

「このところ、みんなびしょびしょで来てびしょびしょで帰って行く。こんなきれいな朝焼けは久しぶり。良い時に来たね。」3日間のツアー最終日の朝、肩の小屋のご主人に言われました。
そう、私たちも前日の朝びしょびしょで小屋に到着。
幸い昼前には青空が広がり、外で雨具を乾かせるほど回復。
でも、間ノ岳へのピストンが可能なリミットの午前9時は強風と雨。
何とか行きたかったのですが諦めました。

2トモエシオガマ
トモエシオガマ

3ジャコウソウ
ジャコウソウ

今回のガイドさんは、まいたびで人気の歩行能力アップ講座の講師を務める阿波ガイド。
山の技術だけでなく山道具の知識も豊富で色々と教えて頂きました。

2022年8月17日(水)1日目
入山日のこの日は午後から雨予報。中央道を走っているとポツポツと雨が・・・
でも、大降りになることは無く芦安に到着。
「今日は午後から雨だから、早く行ったほうがいいよ」と乗り換えもスムーズに予約していたジャンボタクシーで広河原へ。
狭い林道を軽快なトークと共に素晴らしいドライビングテクニックで進みます。
雨の心配もあったので広河原のインフォメーションセンターで早めの昼食。
今日は白根御池小屋まで。吊り橋を渡って急登の樹林帯。
「もう8月も後半だからお花無いかと思った」とお客様。
でも、クサボタン、センジュガンピ、トモエシオガマ、ソバナ、セリバシオガマ、キタザワブシなど、花も楽しめました。
急登が終わりトラバース道に入るころ、雨がパラパラ。
雨具無しでも何とかなる程度の雨でしたが、小屋に到着し受付をしていると土砂降りの雨が降ってきました。ラッキーでした。

4御池小屋のロゴ入りの桝で、地酒を頂く
御池小屋ロゴマーク入りの桝

御池小屋は設備も整っていて、お部屋も個室で快適です。
明日の天気が好転することを願って、スタッフおすすめの地酒を頂きました。
明日は朝から雨、午後には回復の予報。
今年は北岳山荘が改修中の為、肩の小屋へ荷物を置いて間ノ岳をピストン。長丁場です。

2022年8月18日(木)2日目
ヘッドランプを付けて4時に出発。
雨が降ったり止んだり。でも稜線に出る頃には雨も本降り。
風も当たるようになり指先が冷たくなるほど。
遠くで雷鳴も…肩の小屋に入り回復を待ちましたが、前述の通り間ノ岳は断念。
過去にも間ノ岳に届かずリベンジ登山のお客様が2名もおられました。
「天気ばかりは仕方ない。また来るわ。」お客様の前向きな発言に救われます。
昼前から一度は青空も広がり富士山も見る事ができましたが、再び山頂はガスの中。
途中での回復を願って北岳山頂を目指しました。

5タカネマンテマ
タカネマンテマ

6タカネヒゴタイ
タカネヒゴタイ

朝は写真どころではありませんでしたが、ミヤマシオガマ・ミヤママンネングサ・イブキジャコウソウ・タカネヒゴタイ・トウヤクリンドウ・シコタンソウ・ミネウスユキソウ・タカネマンテマ…次々に現れるお花の楽しみながら山頂へ。
山頂では、紅白のタカネビランジが!

7タカネビランジ 白花も・・・
タカネビランジ

8カンチコウゾリナ
カンチコウゾリナ

9北岳だけに来ただけ
北岳に来ただけ

肩の小屋の食堂に「北岳に来ただけ」と書かれていました。次回は、間ノ岳も一緒に!
山頂でのんびりしていると一瞬青空が見えたので展望を期待してしばらく待ちましたが、回復せず下山開始。
キャンプ場の方へ少し降りるとテガタチドリ・キンロバイ・タカネグンナイフウロなどのお花も見る事が出来ました。
他にも、ヤマオトコヨモギ・ムカゴトラノオ・コウメバチソウ・タカネヤハズハハコ・ウサギギク等々。

10テガタチドリ
テガタチドリ

2022年8月19日(金)3日目
目が覚めて外に出ると良い天気。
暗い空の下で、明かりが灯りだしたテントと少し白み始めた空とオレンジの淡い色のコントラストがきれいでした。
そして日の出。富士山・鳳凰三山・八ヶ岳・甲斐駒どっしりした仙丈ケ岳。
その奥には槍ヶ岳・穂高。ようやく微笑んでくれた山々をバックに記念撮影。
下山開始時の気温は8度。
お盆を過ぎて、山は秋の気配も…

11仙丈ケ岳 右奥には北アルプス
仙丈ケ岳

下りはお花や景色を楽しみながらも慎重に下山。
行きはヘッドランプを付けて登ったので気が付きませんでしたが、御池小屋に降りる草すべりは見事なハンゴンソウの群落。
細かな判別がその場でできなかったのでこの場をお借りして訂正です。
ミヤマコゴメグサでなくコバノコゴメグサ。
イワオウギでなくタイツリオウギでした。

12タイツリオウギ
タイツリオウギ

13ハンゴンソウの群落
ハンゴンソウの群落

14コバノコゴメグサ
コバノコゴメグサ

下山も近くなり怪我の多い時間帯。
登山道の脇の広場で、阿波ガイドが考案した「阿波っちストレッチ」を行いました。
広河原に降りるとタクシーが待機。
温泉で汗を流し昼食。露天風呂からは男性風呂は富士山、女性風呂からは甲斐駒が良く見えます。
寒さに震えた稜線が恋しくなるような下界の暑さ。
「甲府は盆地だから余計暑いんだよ」とドライバーさん。
来年は別のルートも良いのではと阿波ガイドから提案も頂きました。
通常のこのコースも、同じような天候になったとしても来シーズンは北岳山荘の改修工事が終わり、最終日に間ノ岳をピストンして下るという変更が可能です。
リベンジのお客様と間ノ岳山頂でご一緒できたら良いなーと思いながら、新宿へ戻りました。


【写真・文 上野ひろみ】
日本山岳ガイド協会 登山ガイドステージ1