甲斐駒ガ岳
仙水小屋泊/眺めても登っても素晴らしい名峰へ


1甲斐駒ヶ岳山頂
甲斐駒ガ岳 山頂

標高2967mの甲斐駒ガ岳は山梨県北杜市と長野県伊那市の境にあって、長野県側では木曽駒ガ岳に対する東ということで「東駒ガ岳」と呼んでいます。
国土地理院の2万5千分1地形図に山名が記載されている「駒ガ岳」は18座。その最高峰が甲斐駒ガ岳。2位の木曽駒ガ岳との差は11m。黒戸尾根からは標高差約2200m、北沢峠からでも標高差約1000mのきつい山ですが、今回は仙水小屋泊でチャレンジ!

三伏峠小屋でコロナ感染者が出て13日まで休業。塩見岳~北岳が中止。台風14号の影響で燕岳~餓鬼岳も中止。楽しみにしていたお客様には不可抗力とはいえ申し訳なく思います。
そして、台風15号が太平洋近海で発生、3本続けて中止かと心配したこのコース。24日未明の大雨で静岡県に大きな被害をもたらしました。被災された方には心よりお見舞い申し上げます。
コロナ渦でこの2年余り、山も観光地も来訪者は激減。コロナ対策を施し迎えた秋の三連休。連続して発生した台風に大きな打撃を受けました。

2022年9月25日(日)1日目
朝新宿を出発後、中央自動車道から見える八ガ岳や南アルプスの山々には少し雲がかかっていましたが、しばらく走ると穂高岳~槍ガ岳まで北アルプスはくっきり。

仙流荘前で南アルプス林道バスに乗り換え、2032mの北沢峠へ。ガイドの押田さんを先頭に出発。ここから仙水小屋までは約1時間。途中1か所鎖がかかる場所がありますが、ほどなく小屋へ到着。
お天気が良いので当初外で夕飯との事でしたが、日が落ちる頃には気温が下がり、小屋の中で美味しくいただきました。消灯前トイレに行くために外に出ると、お客様とすれ違い、「すごい星空ですね。」と声をかけました。「あら、本当にきれい!」カシオペア座・オリオン座…満点の星空。
足元をヘッドランプで照らしながら歩いていると、下ばかり気にしてしまいます。外のトイレは雨の日などは面倒だと思ってしまいますが、こんな星空に出会えるなら悪くない。そんな風に思える夜空でした。

2022年9月26日(月)2日目
昨夜の星は未明まで輝いていました。通常は4時半から朝食ですが、ご厚意で4時にしていただきました。「山小屋でこんな具沢山の味噌汁、初めて」そんな声が聞かれました。朝から温かくおいしい朝食、本当にありがたいです。

2具だくさんの味噌汁とおいしい朝食
具たくさんの味噌汁とおいしい朝食

4時45分、ヘッドランプを付けてスタート。夏なら少し明るい時間ですが、仙水峠に近づく頃ようやく明るくなってきました。甲斐駒ガ岳山頂付近の白い花崗岩は、熱いマグマが地下で冷えて固まった甲斐駒型花崗岩。その熱で周辺部がやけどして赤っぽくかたい岩(ホルンフェルス)が積み重なる岩海をひと登り。

3かたいホルンフェルスの岩海
ホルンフェルスの岩海

この秋ならではのご褒美。仙水峠に到着すると日の出の時間。雲海の上におひさまが顔を出し、摩利支天と手前の木々が朝の光に染まっていきました。

4仙水峠からのご来光
仙水峠からのご来光

5摩利支天と木々が朝日に染まる
摩利支天と木々が朝日に染まる

ここから駒津峰までは急登をひと頑張り。駒津峰から山頂までは同じコースをピストンなので、水をデポしてはと提案(晴天の暑さを心配して、皆さん多めに持っていました)水以外のインナーシーツや着替えもデポ。「あー軽くなった!」と元気に再スタート。
六方石に到着。六方石は甲斐駒ガ岳と駒津峰間の最低鞍部にある大きな石の積み重なり。その中の一つが六方体をしていることから、こう呼ばれているそうです。

6六方石
六方石

7六方石先の鎖がかかる下り
鎖のかかる岩場

六方石の先も鎖のかかる岩場があり、注意して通過。山頂が近づくと花崗岩のホワイトロード。抜けるような青空をバックに登るお客様がかっこよくて、思わずパチリ!

8白い斜面と空の青とお客様
白い斜面と空の青とお客様

歩きにくい砂礫地をひと登りすると山頂。360度の大展望が待っていました。富士山・北岳・間ノ岳の1・2・3。そして鳳凰三山・塩見岳・中央アルプス・御嶽山・白山・乗鞍岳・北アルプス…

9ナンバー1・2・3富士山・北岳・間ノ岳
ナンバー1・2・3 富士山・北岳・間ノ岳

10滑りやすい下りは慎重に
滑りやすい下りは慎重に

山頂からの下りは滑りやすいので慎重に下ります。駒津峰で荷物を回収し、双児山を経由して北沢峠へ戻りました。秋の山はお花が少なく寂しいですが、岩陰にイワツメクサ・コバノコゴメグサ・コメバツガザクラ・イワインチン・ツガザクラなどを数株見る事が出来ました。
林道沿いにはカツラの木が色づき始め、フジアザミ・ノコンギクなどを車窓から見る事ができました。帰りの南アルプス林道バスからは、今日下ってきた甲斐駒ヶ岳・駒津峰・双児山がはっきり見えました。ドライバーさんの説明も面白く、この日の天候は「今年の9月では最高の一日でした」とのこと。
9月前半は雨が多かったので「快晴の山、最高だー」と叫びたくなる(叫んだ)山旅でした。

【写真・文:上野ひろみ】
日本山岳ガイド協会 登山ガイドステージ1
信州登山案内人
【写真:安井美和】
日本山岳ガイド協会 登山ガイドステージ1


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