大郷戸アルプス
2022年12月13日(火)
事前の週間天気予報では晴れマークが並ぶ中この日だけ雨マークが…。
冷たい雨になりそうなので、お客様用にテムレスなど手袋の予備をザックに詰めて東京駅へ。
防水がいま一つの靴に防水処理をしたものの、そのあと雨に合わず効果を確かめられていませんでした。
効果を確認できるチャンスと気持ちを切り替え、雨具を着て自転車で自宅を出発。東京駅着くと雨は止んでいました。2020年から始まったまだ新しいコース。下見の時から関わり、3回ともガイドを務める豊岡ガイドと上野でご案内。
「大郷戸アルプスの仲間たち」そんな素敵な地元グループが整備したコース。手作り看板とそのひねりの利いたネーミングが楽しいコースです。人気のご当地アルプスですが、「アルプス」とその名の通り標高差は少ないものの細かなアップダウンが続きます。スタートは三ノ宮神社。雨もほぼ止んでザックカバーと上着だけで歩き始めました。荒町自然公園でトイレをお借りしました。浅間神社とそばに4等三角点。なぜか珍しく埋まっています。
金比羅神社の脇を通りいったん舗装路へ。すぐに西尾根の急な山道に取り付きますが長くは続きません。
最初の鉄塔まで登るとこれから向かう東尾根が見えました。中々のロングコース。そしてアップダウンが続くことがよくわかります。夫婦坂名付けられた坂の先に「夫婦の木」2本のリョウブの木が途中で合体しています。
わっかの木の前で各自昼食。予報に反して雨は時折パラパラと降ることがありましたが、それも長く続かず。大郷戸アルプス最高地点を通過し、西尾根と東尾根の分岐へ。先月行った相州アルプスの荻野高取山と同様、採石場の関係で今年から富谷山へは通行禁止となってしまいました。
西尾根と東尾根の分岐近くには「メタボの木」、その先にはNEW見どころ「お熱い木ッス」と続きます。「大郷戸アルプスの仲間たち」の代表の奥様が名付け親の「回顧(みかえり)の峰」では、ここまで歩いてきたルートが見えます。
遠くから見るとなんて書いてあるかわからなかった看板。字も転がっています。大郷戸アルプス三大急登の一つ「狸転げ坂」、確かに急な下りですがロープが張られているので安心です。この後には「うり坊転げ坂」も待ち受けます。ちなみに三大急登は「大岩直登坂」の3つだそうです。
東尾根の鉄塔からは男体山をはじめ日光連山を眺めることができました。雨を覚悟してきたのになんと最後は青空。
今回歩くルート上にあった地籍図根三角点。調べてみると、国土地理院が管理する国家三角点や電子基準点に基づき、GNSS測量(GPS測量)により非常に高い精度で測量された基準点との事。公共基準点ではないため、公共測量の与点として使用することはできないが、2級公共基準点に相当する精度を有しており、一般の測量の際の基準点として利用できるとの事でした。
「大郷戸アルプスの仲間たち」代表の廣澤さん宅の前を通りかかると、偶然外にいらしてお見送りに来てくれました。廣澤さんには下見の時からお世話になったとのこと。地元の方の努力で楽しく安心して歩くことができました。廣澤さんにお客様から質問。
「三大急登2つは動物なのに、3つとも動物にしなかったのですか?」
答えは、近くにある雨巻山に獅子転げ坂があるから、との事でした。三ノ宮神社に戻り、廣澤さんのお見送りを受けて帰路につきました。
答えは、近くにある雨巻山に獅子転げ坂があるから、との事でした。三ノ宮神社に戻り、廣澤さんのお見送りを受けて帰路につきました。
天気予報が雨でもやはり山は行ってみないとわかりません。雨にも降られず、地元に愛され守られているご当地アルプスを楽しんだ山旅でした。
【写真・文 上野ひろみ】
日本山岳ガイド協会 登山ガイドステージ1
信州登山案内人