櫛形山腹 高尾古道

2023年4月25日(火)
赤石山脈の前衛にあたるたおやかな櫛形山。櫛形山の山腹800m辺りに高尾集落があります。
この集落には高尾穂見神社(標高870m)があります。かつて、高尾穂見神社を目指すには「高尾道」と「平岡道・上宮地道」と呼ばれる二つの道がありました。この古道沿いには昔の人々の生活・文化や信仰を表す跡があります。
そしてその先には立派な高尾穂見神社がどーんと現われます。さて、どんな神社なのでしょうか。肌寒い中ワクワクしながら出発です。序盤は少し急登が続きます。皆さん、ちょっと苦労しながら頑張って歩きます。

高尾古道1
高尾古道

この辺りはハーフパイプのようにくぼんだ、くねくねの「木曳きの道」。林業が盛んだったころ木を運んだ道なのです。少し急登が続くと新緑がお出迎えしてくれ、マムシグサも見られました。

高尾古道2マムシグサ2
マムシグサ

高尾古道新緑5
新緑

そして高尾古道の中間地点にあたる六本の松の木。ここを目指して登れば高尾まで迷わないとされた目印だそうです。神座と見られる大きな石は神様が座る場所と言われているようです。

高尾古道六本松6
六本松

この古道は序盤が急登で、この時期は落ち葉が多く少し歩きづらいですが、ここを過ぎるとなだらかな道が続きます。皆さん軽快に歩き出します。その先には「馬頭観音」。昔、馬は人々の生活に欠かせない存在。家族や馬の安全などを祈願したもののようです。

高尾古道馬頭観音7
馬頭観音

そしていよいよ高尾集落まで辿り着きました。高尾穂見神社が見えた!!
高尾古道神社8
高尾穂見神社(高尾集落から)

皆さん期待以上の高尾穂見神社の眺めの素晴らしさに興奮気味です。こんなに喜んでくれるとは、ここに(下見を含めて)2回も足を運んだ甲斐があります!大きな赤い鳥居の裏には八重桜と枝垂桜が咲いています。枝垂桜は終わり気味でしたが、八重桜は綺麗に咲いていました。枝垂桜が咲く頃はきっと圧巻の景色だったでしょう!!
高尾古道鳥居9
高尾穂見神社 鳥居
高尾古道八重桜10-2
八重桜

高尾穂見神社へは歴史を感じる階段を少し登ります。その本殿は入ってすぐには見ることができません。大切な場所なので、正面の建物の裏に隠れ森に寄り添うように佇んでいます。しかし、手前には高尾穂見神社の神楽殿が目の前に飛び込んできます。屋根の下に掘られた四神達が神社を見守っていました。ここでは春と秋と例大祭が行われます。秋の例大祭はかつて夜通し行われ、「太太神楽(だいだいかぐら)」(市指定文化財)が行われていました。夜の神楽殿もとても素敵。
高尾古道神楽殿11
高尾穂見神社 神楽殿(下見時の夜の神楽殿)

高尾穂見神社を存分に楽しみここからタクシーに乗り、市街で待っているバスまで戻り、途中「みたまの湯」でいい汗を流しました。
ここの温泉は「温泉総選挙」絶景部門で2019年から4年連続1位を獲得するほど、眺めが良く素敵な露天風呂。皆さん目の前にそびえる山を見ながら山座同定。楽しいひと時でした。櫛形山麓にあるひっそりとした路、高尾古道。
皆さんと一緒に歴史ある穂見神社を存分に味わえた一日でした。

【写真・文 水村春代】