両神山~白井差コース

1アカヤシオの紅葉と山頂
アカヤシオの紅葉と山頂

両神山は、三峰山、武甲山と合わせた「秩父三山」の一座。
以前は、日向大谷からピストンでご案内していましたが、登山口までの距離とコースタイムの長さから、日帰りのバスツアーは難しくなりました。
環境整備費をお支払いして最短コースで白井差コースから両神山を目指します。登山道の多くが山中氏の私有地で、登山道の整備も担われています。よく整備され、とても歩きやすい道です。

2023年10月19日(木)
先頭を歩くのは、岡野ガイド。添乗は栗島次郎とラストは上野。
日向大谷から山頂へ行ったことはありますが、このコースは初めての添乗です。林道を歩いていると、「あ、この花はもしや?」ちょっと変わった花が咲いていました。図鑑では見たことがありますが、山では初めて見ました。秋はお花も少ない中、ひとりテンションが上がります。帰り道に皆さんに見てもらう事にして先へ進みます。

2チャートの露出
チャートの露出

板状節理みたいな岩が見えましたが、良くわからず…地質に詳しい知人に写真を送ると、
「板状節理ではなく、おそらく層理面(地層面)が見えているのでしょう。
チャート(放散虫が海に溜まった珪酸質の硬い岩)か、砂岩泥岩互層かと思います。」との事。
親切に調べてくれて、たぶんチャートとの事でした。
そして、「めっちゃ硬くてハンマーで叩くと火花が出るようであれば、チャートです。昔は火打ち石も使ったとか」次に行く機会があれば、是非叩いてみたいです。地層や岩石ももっと勉強すれば、山も別の見方が出来て楽しいですね。

3季節外れですが、クワガタソウ?
季節外れですが、クワガタソウ?

その先で、クワガタソウと思われる花が咲いていましたが、春の花だからと帰宅後調べましたが、やはりクワガタソウ?季節外れの暖かさに狂い咲きでしょうか?

4紅葉と岩壁
紅葉と岩壁

5トリカブトの実
トリカブトの実

途中、岩と紅葉のコントラストが素敵な個所があり、写真を撮るために立ち止まることもしばしば。そして、気持ちの良いブナ林。
「ブナ平」と名付けられたこの場所で昼食。山頂直下で、先行していた広島からのツアーとすれ違いました。ガイドはまいたびでもお世話になっている白馬の女性ガイドさんでした。ここからは、広島ツアーに同行していた山中氏はまいたびツアーへ。山頂が狭いので、ザックをデポして山頂へ。
「あ、富士山が見える!」との声が。
そして頭を少しだけ見せる甲斐駒ヶ岳!!プライベートも含め何回も来ている岡野ガイドですが、山頂から富士山が見えたのは初めてとの事。夏の富士山ガイドも務める岡野ガイド。富士山を眺める気持ちも私とは違い、ステップアップしながら皆さんと富士山も目指した思い出と一緒に眺めているのかな?

6両神神社奥宮の祠
両神神社の奥宮の祠
7富士山も見えました
富士山も見えました
8頭だけ見える甲斐駒ヶ岳
頭だけ見える甲斐駒ヶ岳

展望の良い日に登頂できました。下りは往路を戻ります。行きは登山道から眺めただけでしたが、帰りは昇竜ノ滝の滝つぼ近くまで下りました。そして、行きで見かけたお花を皆さんに紹介。盗掘の恐れがあるため花の名前と写真の掲載はブログでは控えます。ぜひ、まいたびツアーにご参加いただき、お花に会いに来てください。

9コミネカエデ
コミネカエデ
10昇竜ノ滝
昇竜ノ滝

下山後、環境協力金をお支払いすると、両神山の登山バッチをお客様にいただきました。両神山は八丁峠からの難ルートもあり、過去死亡事故も多く発生しています。山中氏が、「このコースでは、転落・滑落による死亡事故は一度も起きていない」とお話してくださったことが印象に残りました。両神山を大切に思い、トイレの管理・登山道の整備に日々尽力されている山中夫妻のおかげで、安全に楽しく登ることができました。

【写真・文 上野ひろみ】
日本山岳ガイド協会 登山ガイドステージ1